Tableau Tips: ファネルチャートの作成 #tableau
データを可視化する際のグラフ形式の1つに『ファネルチャート』というものがあります。『入口と出口とその間の数ステップにおいて,ステップ順に数値が減っていく(離脱していく)データに対して有効』(※参照エントリより)なグラフであり、Tableauでも幾つかの手法でこのグラフを作成する事が可能です。
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- 「まずチャートを決めてから集計を決める」という視点の重要性について - トレジャーデータ(Treasure Data)公式ブログ
そこで今回は、幾つか紹介されている手順の中から2つピックアップして実際にファネルチャートを作成してみたいと思います。
目次
#1.比較的シンプルな手順の場合
まずは比較的シンプルなバージョンから。こちらのYouTube動画の手順に従って作成する形になります。
まずはデータをこのような形で用意。
Tableauで読み込み、以下の形で要素を配置します。
- Agentを列に配置(そのまま読み込んだままだとメジャー扱いになっているので、ディメンションに移動した後に行なう)
- Stageを列に配置
- Quantitを列、Agentの右に配置
[マーク]タイプをエリアに変更。すると以下の様な見え方になります。これで右半分が出来ました。
次いで左半分を作成します。計算フィールドの作成で[Quantity]をベースに以下の様な要素を作成。Quantityの数値にマイナスを付与します。
Quantityの左横に上記で作成したOtherを配置。対称となる形で左半分が形作られました。
数値情報を計算するフィールドを別途用意します。LOOKUP関数についての解説は以下をご参照ください。
上記で作成した関数の情報をラベルとして表記してみます。
要素としては右半分・左半分で分かれているので、以下の様に要素の配置を振り分けてみるのも良いでしょう。簡単バージョンの方はこれで完成です。
#2.若干手間の掛かる手順の場合
次は、若干手間が掛かる手順となりますが、見え方的には#1よりちょっと良い感じになるヤツです。以下公式動画(要サインイン)で紹介されているものの後半部分の内容をやってみた形になります。
動画手順に倣い、以下の様なデータを用意しました。ひとつ異なっている部分は、フェーズの最終段階である[Purchase]の後に、同じ数値で[Finish]という行をそれぞれ追加している点。この部分については、動画を参考にして行った際に最後の[Purchase]の部分を形成する手順で出来なかった部分があった(動画で表示されているTableauのバージョンが古めだった&現在確認しているバージョンは9.2だったのでやろうとしていた部分が出来なくなってしまったと思われる)ので、代替案として『これで行けるかな?』と思案してみた結果の反映となります。
Tableauでデータを読み込んだ後、計算フィールドを以下の様な形で作成します。これは、全てのPhase分作成します。(※Finishに関する部分は不要です)
各関数の内容を以下に記載しておきます。
IF ATTR([Phase])="Website Hit" OR LOOKUP(ATTR([Phase]), -1)="Website Hit" THEN SUM([Number of Prospects]) END
IF ATTR([Phase])="Download" OR LOOKUP(ATTR([Phase]), -1)="Download" THEN SUM([Number of Prospects]) END
IF ATTR([Phase])="Sales Contact" OR LOOKUP(ATTR([Phase]), -1)="Sales Contact" THEN SUM([Number of Prospects]) END
IF ATTR([Phase])="Quote Sent" OR LOOKUP(ATTR([Phase]), -1)="Quote Sent" THEN SUM([Number of Prospects]) END
IF ATTR([Phase])="Purchase" OR LOOKUP(ATTR([Phase]), -1)="Purchase" THEN -SUM([Number of Prospects]) END
作成後の状況はこんな感じです。[Sales Rep]を列に、[Phase]を行に配置しておきます。
メジャーバリューを列に配置。
配置された内容を、項目のドラッグ&ドロップ操作で多い順に並べ替えます。
メジャーバリューの中でPhaseに含まれていないものを排除し、マークタイプを[エリア]に変更。すると以下の様な形の表示となります。
メジャーバリューの項目全てを選択済にした上で右クリック→[表(下)]を選択。
且つ、メニューの[分析]からスタックマークを[オフ]に切り替えます。
表示調整を[ビュー全体]とする事で、#1の手順同様に右半分が、しかもPhase毎に色分けされた形で作られました。
ここからは左半分の要素の作成です。Phase毎に個別に作った計算フィールドを複製し、
名称の書き換えと計算式の変更を行います。計算式については、SUMの部分にマイナス表記を付加する形となります。
上記手順で全ての要素で対になる項目(今回の手順では"(Negative)"と末尾についているやつ)を作成し、メジャーバリューに放り込みます。
左半分も出来ました!しかし色合いがバラバラです。
色の編集を行います。[メジャーネーム]カードの[▼]から編集モードを選択。
右半分と色合いが同じになるように設定を行います。
また、ツールチップ表記についても設定を行ってみます。[Number of Prospects]をラベルに落とし込み、[表計算の追加]を選択。
計算タイプ:割合の基準を選択し、以下の様な形で設定を行います。
これでこちらのバージョンも完成です。
まとめ
以上、ファネルチャートのTableauでの作成方法のご紹介でした。Tableauではデータの持たせ方、関数や各種機能を活用する事で実に様々なグラフを作成する事が可能です。一般的に可視化・分析で用いられている様な表示形式・グラフについても数多く紹介されているネタがありますので、今後タイミングを見計らってそういったネタもご紹介して行ければと思います。